愛知学院大学 宗教文化学科

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宗教文化学科 ゼミ紹介

(1)伊藤雅之ゼミ

現代の欧米社会や日本をおもな対象地域として、そこで起こっているさまざまな宗教文化現象のなかから自らの関心のあるテーマを選び、2年間かけて卒業論文に仕上げていくことをめざします。私の専門は宗教と社会制度(政治、経済、教育など)との関係を探究する宗教社会学、人々の非日常的な心理や感情にアプローチする宗教心理学です。なかでも、大自然や宇宙、本当の自己とのつながりを求めるスピリチュアリティ文化(たとえば、ヨガ、マインドフルネス)、ポジティブ心理学と呼ばれる人々の幸福度の向上をめざす領域について研究しています。最近ではコロナ禍での陰謀論の発展や臨死体験の科学的解明などにも注目しています。

(2)石田尚敬ゼミ

インドに始まりアジア各地域に広まった仏教の歴史と文化をテーマとしています。仏教は、伝わった地域によってさまざまな姿を見せています。このような地域的変容を読み解きながら、文化の成立とその伝播について考察することを目的としています。

特に近年では、中国からインドへ旅をした学僧の旅行記に注目しています。法顕の『仏国記』や玄奘の『大唐西域記』に代表されるこれらの旅行記は、歴史資料(史料)としても貴重であると同時に、当時から既に「観光」の要素も含まれていることがわかります。現代の日本では、アニメのロケ地などが「聖地」とされ、現代版の「聖地巡礼」なども知られていますが、こういった聖地巡礼の今昔に注目し、卒業研究を行った先輩もいます。また、石田ゼミでは、仏教文化の考察を基本としながら、生命倫理(医療倫理)の研究も行っています。生命倫理(医療倫理)の研究は、かつてはキリスト教社会で蓄積された議論に基づくことが多かったものの、近年では非キリスト教文化圏の社会も視野に入れた考察が求められています。出生前診断脳死からの臓器移植、さらには安楽死尊厳死の問題などを取り上げる卒業論文も数多く見られます。

(3)小林奈央子ゼミ

宗教学研究の立場から、人びとが過去どのように宗教と向き合ってきたのか、また、現在向き合っているのかについて、歴史学的および現在学的視点の双方から多角的に学んでいきます。私自身の主たる研究対象は大きく2つに分けられます。1つは日本を中心とする民俗宗教に関する研究であり、特に山岳宗教にかかわる信仰習俗に関心を持っています。文献を通して考察するのはもちろんですが、実際に現地に足を運び、調査対象に直接触れるフィールドワークを重視しています。研究対象としている木曽の御嶽山や奈良の大峯山へは何度も出かけ、現地での宗教活動への同行、関係者へのインタビューや石造物の調査などをしています。もう1つは、宗教とジェンダー研究です。世界のほとんどの宗教において、指導的立場は男性によって担われてきました。そのため、多くの宗教でいまも男性中心主義的な思考や実践が見られます。そうした性別による偏りや不均衡の問題について、その改善、是正という視点も持ちながら研究をしています。

(4)清野宏道ゼミ

清野ゼミは、パーソナルとチームが意識されたフリーダムなスタイルが特徴です。個人の意志が最大限尊重され、受講生それぞれが主体的にテーマを設定して、目的に沿った自由なアプローチができる環境です。先生は、ファシリテーターでありながら、ある意味、伴走者のような存在。それぞれの志向を最優先した上で、別の視点や不足している内容を補ってくれるので可能性がとても広がります。ゼミでは、3年生の初期段階から卒業論文の完成に向けた活動がスタートします。2年間かけて大きな開発プロジェクトを成功させるようなイメージです。最初にラフを描いて全体のアジェンダを設定し、重要なポイントをつかむところから論文計画が始まります。個人の研究活動がベースとなりますが、グループワークや研究発表の機会も設けられているため、パーソナルな力がチームワークの中で発揮できるような自己マネジメントのスキルも磨かれます。さらに、ゼミ内での発表を機会として、就職後を見据えたプレゼンテーションのスキルも学ぶことができます。なお、必要に応じて現地調査を兼ねた研修旅行が実施されることもあります。

(5)横山龍顯ゼミ

禅の思想や文化に関連する領域を対象として、関心のあるテーマを選択し、4年生の12月までに卒業論文を作成していきます。私は、鎌倉時代禅宗を専門分野としています。なかでも、大学院生の頃より日本曹洞宗が全国へ展開する基盤を形成した、瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)(1264~1325)という僧侶に興味を持っており、伝記や思想研究を中心に行ってきました。主に文献学や歴史学の手法を用いて研究を行っています。禅思想そのものは、8世紀頃の中国で確立しました。その後、平安末期から鎌倉時代にかけて日本へもたらされ、日本社会へ定着していきます。また、禅思想は日本文化にも多大な影響を与えており、私たちの身の回りにあるものや当たり前の習慣となっているものは、禅や禅文化の影響を受けたものであふれています。禅というものは、想像しているよりもずっと身近なものです。